家庭医療・総合診療
今更になってようやく、統合ケアの「カオスの虹」がすこしわかってきた気がする。 支援機能の連携である機能的統合(Functional integration)と、文化や価値観の共有をおこなう規範的統合(Normative integration)を基盤としながら、ミクロレベル(個人を…
東京出張2日目 病院総合診療医学会学術総会@日本医科大学 学生セッション登壇総合診療のサブスペシャリティについて。学生が主体となった企画で、自分は気軽な気持ちで参加した。一応、座長ではある。そもそも専門医をとったほうがよいのかという議論もでた…
昨日、ひょんなことから依頼を受けて、地域ケア会議で健康の社会的決定要因(SDH)や健康格差に関する講演を30分程度行いました。 SDHや健康格差の概要を、具体例とともにお伝えしつつ、SDHとしての新型コロナウイルス感染症の影響や、社会的処方、アドボカ…
生物心理社会モデル(Bio-Psycho-Social model:BPSモデル)について、「バイオサイコソーシャルアプローチ―生物・心理・社会的医療とは何か? 」という書籍を通じて改めて勉強したので、ここにまとめておきます。 バイオサイコソーシャルアプローチ 作者:渡…
脂質異常症について、2017年版のガイドラインを参考にしながら記事を執筆していたのですが、なんと今年7月に2022年版が公開されていたのを発見し、「マジスカ学園!」ってなりました。 今から記事を書き直します・・・(泣)。 動脈硬化性疾患予防ガイドライ…
医療人類学者・磯野真穂さんの著書。インタビューを通して、医療者の苦悩や葛藤が描かれていて、人類学的視点から考察されている。 特に気になったのは、医学と医療の違い、そして「患者中心の医療」のこと。 ・・・ p163 「医療者の仕事の根幹は、モノとし…
個人的な関心もあって、私は哲学に関する書籍を手に取ることが多いです。 哲学の一般的なイメージといえば、「難解」であったり、「生活に役立たない」など、ネガティブな側面が思い起こされることが多いのではないでしょうか。 その一方、哲学を日常生活や…
今回はセミナーのお知らせです! 私が所属している、適々斎塾若手部会による企画です。 ******** 医学生・研修医向けオンラインセミナー「合水塾」 来る3月19日(土)、適々斎塾 若手部会企画 第3弾が開催されます! 今回のタイトルは・・・ 「私のお…
医学生向けですが、こんな勉強会があります。 Zoomでも視聴できるみたいです。岡山県外の医学生の方でも参加可能とのこと。 健康格差とか、健康の社会的決定要因とか、生物心理社会モデルとか、総合診療のこととか話します。初期研修のこととか、総合診療研…
読書記録。 治療 2021年11月号「病院にとっての在宅医療 やってみる、繋がってみる」 治療 2021年11月号 特集 「病院にとっての在宅医療 ~やってみる,繋がってみる~」 南山堂 Amazon 編集幹事をされている 長野広之先生より、ご恵贈いただきました! タイト…
わたしが執筆した、日本の総合診療医の様々なカタチについて述べた論文 「Various perspectives of “General Medicine” in Japan—Respect for and cooperation with each other as the same “General Medicine Physicians”」が、 Journal of General and Fam…
ここ最近、「患者中心の医療の方法」第3版の翻訳書を用いた読書会に参加しています。 患者中心の医療の方法 原著第3版 作者:Moira Stewart,Judith Belle Brown,W Wayne Weston,Ian R McWhinney,Carol L McWilliam,Thomas R Freeman 羊土社 Amazon そのうちの…
先日、とあるミーティングでの話題をうけて。 コロナ禍で、自分がどんな心持ちで総合診療専門医研修をおくっているのか、改めて考えさせられました。 2種類の総合診療専攻医がいる コロナ禍でも同じことが言えるの? 総合診療医や家庭医ではなく、ひとりの「…
ご報告。日経メディカルに寄稿いたしました! 総合診療に関して、学生や研修医の方々からよくきかれる質問に答えております✍ ・総合診療は全診療科の知識を網羅しておかないといけないのか? ・総合診療にサブスペシャリティは必須なのか? 私も学生時代、「…
巷ではとあるメンタリストさんの差別的発言が話題となっていますが、今回はメンタルヘルスに関係した記事です。 総合診療医として地域の小病院で勤務していると、様々な症状を抱えた患者さんが受診します。はじめから専門的な高次医療機関に行ったほうがよい…
2021年6月27日、「『困難事例』を解きほぐす」の読書会に参加しました。 「困難事例」を解きほぐす――多職種・多機関の連携に向けた全方位型アセスメント 作者:伊藤健次,土屋幸己,竹端寛 現代書館 Amazon 著者の御三方が参加され、本の内容をベースにディスカ…
「家庭医療学ってなに?」 そんな方にむけて、家庭医療学についてスライドにまとめてみました。 家庭医療の実践で基本となる、 生物-心理-社会モデル(Bio-Psycho-Socialモデル:BPSモデル)、 患者中心の医療の方法(Patient Centered Clinical Method:PCCM) …
内科専門医と総合診療専門医のダブルボードの件について。 ドクターズマガジン5月号の記事によると、専門医機構は、内科専門医が総合診療専門医を取得する要件は、小児科や救急研修の追加履修で可能とする方針にするとのこと。 しかし本来、総合診療には具体…
今回とりあげる書籍は、 平野啓一郎さんの『私とは何か 「個人」から「分人」へ』。 私とは何か 「個人」から「分人」へ (講談社現代新書) 作者:平野啓一郎 発売日: 2012/12/17 メディア: Kindle版 平野啓一郎さんは、『マチネの終わり』になどで有名な小説…
ついに今年度の「若手医師のための家庭医療学冬期セミナー(通称”冬セミ”)」が終了した。私は昨年度に引き続き、全体講演の冬期セミナースタッフ(冬セミスタッフ)として参加した。 https://confit.atlas.jp/guide/event/jpcawinter16/top 無事に終了したこと…
現在総合診療界隈で話題になっている「5万円問題」に関して、当事者の総合診療専攻医である私の感じたこと・意見を述べます。 昨日(2020年12月17日)、突然専門医機構から下記のようなメールが届きました。 たしか、専門医機構・総合診療専門医検討委員会の大…
総合診療について、改めて考えてみた ある学生さん(なんと中学生の方!)から、インタビューの申し込みがありました。 医師を志していらっしゃるとのことで、卒業論文の情報収集のなかで、私の書いた日経メディカルの記事を読んでくださったとのこと。 medi…
PRESENT_23 西智弘 「コロナ時代につながりを。社会的処方に学ぶ、これからの支援の在り方とは?」 heisei-kaigo-leaders.com 今日はこちらのオンラインセミナーに参加させてもらいました! 有料セミナーということもあり、すべての内容のメモを記載するのは…
2020/06/12 19:30〜21:00 2020年若手医師セミナー 第2回 「家庭医VS病院総合医 バトルトーク「なんでそうなるの?」 先程終了。 総合診療のトップランナー、山中克郎先生と藤沼康樹先生のトークとあって、耳の穴をかっぽじって、テレビっこ(古い)になって、…
ブログをはじめてついに20記事を超えていました。とりあえず習慣化できていてよかったです。こうやって自分の考えや感情を言葉にすることは、頭の中の整理になりますね。 さて最近、スペシャリストの先生方に関する記事を書きました。 yktyy.hatenablog.com…
総合診療の研修について、なかなかまとまりきらない現状について思うこと。 総合診療専門研修は現在、混沌としています。 研修プログラムを遂行していく上でのシステムやトラブルシューティングなどがうまく機能していないこと自体は大きな問題ですが、それ…
読書記録。 哲学関連の本は、日常のスパイス的に読むことが多いですが、この本は日常に活かせるかたちで、「問い」の立て方を解説してくれています。 「課題発見」の究極ツール 哲学シンキング 「1つの問い」が「100の成果」に直結する 作者:吉田幸司 発売…
Evernoteを利用しない日はもはやなく、なくなってしまうと本当に仕事ができなくなるのではないかと思うくらい、欠かせない存在となっています。 様々な活用方法がありますが、自分が活用している1つを紹介。 あ、医師・医学生向けです。 鑑別疾患リストを作…
ブログを開始して1週間たち、やっと医学的な記事を書きます。 今回は「リハビリテーションオーダー」についてです。 今年4月から新天地での勤務となり、救急外来から患者さんを入院させる際にリハビリテーションも同時にオーダする機会も多いです。 これまで…