岡山の家庭医の読書・勉強ブログ

岡山の家庭医のブログです。総合診療や家庭医療、哲学、ビジネス、いろいろ。

統合ケアの概念モデル『カオスの虹』について

今更になってようやく、統合ケアの「カオスの虹」がすこしわかってきた気がする。 支援機能の連携である機能的統合(Functional integration)と、文化や価値観の共有をおこなう規範的統合(Normative integration)を基盤としながら、ミクロレベル(個人を…

2023/08/27 東京出張2日目 学会登壇&下北沢で本屋を巡る

東京出張2日目 病院総合診療医学会学術総会@日本医科大学 学生セッション登壇総合診療のサブスペシャリティについて。学生が主体となった企画で、自分は気軽な気持ちで参加した。一応、座長ではある。そもそも専門医をとったほうがよいのかという議論もでた…

2023/08/26 東京出張1日目 神保町で本とカレー

東京出張1日目 飛行機、揺れが大きい。キャビンアテンダントの何気ないアナウンスが、なぜか印象的だった。「雨雲を通過中のため機体が揺れておりますが、飛行には影響はございません。どうぞご安心ください」。このアナウンスにとても安心できた。飛行機の…

2023/08/25 診療にかけられる時間について

診療にかけられる時間について。 外来や訪問診療をふくめて、医療は時間制限がつきものである。無限に時間があるわけではない。限られた時間内で診療を行わなければならない。これはどの仕事でも同じ。別に医療に限った話ではない。ただ、緊急性があればより…

2023/08/23 地元の総合診療

2023/08/23 今日は一日お休みをいただいて、家族のことで病院を受診。朝一番で自宅を出て、2時間かけて地元の香川県にいった。 ぶっ通しの運転はやっぱり疲れる。ただ、瀬戸大橋はいつ通っても気持ちがいい。 大雨。どしゃぶり。 地元についても曇天。雨は降…

2023/08/21 午後休み 時間をつかう

2023/08/21 今日は仕事。午後は休みをとっているので、午前の予約なし外来だけ。月曜日は毎週のように忙しい。時間におわれながら外来対応する。診察の手は抜きたくないので、できるだけポイントをおさえながら。なかなかに後ろにずれこんだ。 ようやく外来…

2023/08/20 大阪2日目、生きる意味ってなんだろうって考える

2023/08/20 適々斎塾2日目。昨日の疲れが残っているものの、今日は今日で楽しみ。朝は6時40分に自然に目がさめて、すぐに着替えと歯磨きをして準備して、パソコンやらをカバンに詰め込んで、ホテルの部屋をでて朝食会場にいった。ホテル全体に清潔感があるの…

2023/08/19 大阪出張して、なぜか日記をつけてみたくなった

2023/08/19 大阪に出張。 朝からバスにのって大阪に。6時40分に津山インターからバスに乗って、大阪駅についた。大丸梅田店のポケモンセンターに行こうと思ったけれど、人がごった返して入れず。まさかポケモンセンターでひとがおおいわけじゃないだろうな、…

【読書記録】今一度、日記の魅力に迫る。『さみしい夜にはペンを持て』

読書記録。 『さみしい夜にはペンを持て』 さみしい夜にはペンを持て (一般書) 作者:古賀 史健 ポプラ社 Amazon 日記を書くことは、未来の自分という読者に向けて、自分の経験や考え・思いを言葉にして記すこと。「書くこと」が苦手なのではなく、考えや思い…

【書評】実践 SDH診療 できることから始める健康の社会的決定要因への取り組み 【実践的なSDH書籍の決定版】

【実践的なSDH書籍の決定版】 実践 SDH診療 できることから始める健康の社会的決定要因への取り組み 実践 SDH診療 できることから始める健康の社会的決定要因への取り組み 中外医学社 Amazon 自身の関心領域の書籍であり、早くから手元にあったものの、忙し…

アニメ「ポケモン」最終回でサトシが教えてくれたこと

アニメ「ポケットモンスター」が、2023年3月24日、ついに最終回を迎えた。正確には、4月から新シリーズが開始するためポケットモンスターのアニメは続く。ただ、26年間ずっと主人公であったサトシとその相棒であるピカチュウの物語が幕を閉じることになった…

人との出会いが本との出会い。本は人柄をあらわす。

どんなときに新しい本と出会っているか考えてみると、誰かから本をおすすめされた時というのが意外と多いのではないでしょうか。「〇〇がおもしろかったから読んでみて」とか、「こんなときには〇〇にこうやって書いてあったから読んでみるよいいよ」とか。 …

新年なのでポジティブもネガティブも含めて、今考えていることを率直に書く。

年が明け、2023年になりました。2022年を振り返ってみると、本当に目の前のことに精一杯だった1年でした。。。 2022年の簡単な振り返りと、年末年始の時間でできた内省を踏まえて、ポジティブもネガティブも混ぜ合わせた、今の率直な気持ちや思考をまとめて…

【活動報告】地域ケア会議で健康の社会的決定要因(SDH)について講演しました。

昨日、ひょんなことから依頼を受けて、地域ケア会議で健康の社会的決定要因(SDH)や健康格差に関する講演を30分程度行いました。 SDHや健康格差の概要を、具体例とともにお伝えしつつ、SDHとしての新型コロナウイルス感染症の影響や、社会的処方、アドボカ…

雑記:皿回しのように家庭医のポートフォリオを書く。

雑記。 総合診療専門医研修や新家庭医療専門医研修のポートフォリオ作成について。 ぼくはひとつのエントリーを一気に書き上げると言うよりは、いろいろなエントリー項目のポートフォリオをちょっとずつ書いていってます。皿回しのように同時並行で。 事例っ…

感情のグラデーション化には語彙力が必要である(読書メモ「ルポ 誰が国語力を殺すのか」)

読書メモ✍ 石井光太「ルポ 誰が国語力を殺すのか」 p22より引用 ・文科省の定義によれば、国語力とは「考える力」「感じる力」「想像する力」「表す力」の四つの中核からなる能力としている。・まず、習得しなければならないのが、あらゆることの基盤となる…

ちゃんと知る、生物心理社会モデル(BPSモデル:Bio-Psycho-Social model)

生物心理社会モデル(Bio-Psycho-Social model:BPSモデル)について、「バイオサイコソーシャルアプローチ―生物・心理・社会的医療とは何か? 」という書籍を通じて改めて勉強したので、ここにまとめておきます。 バイオサイコソーシャルアプローチ 作者:渡…

動脈硬化性疾患予防ガイドライン、2022年版に改訂されてました。

脂質異常症について、2017年版のガイドラインを参考にしながら記事を執筆していたのですが、なんと今年7月に2022年版が公開されていたのを発見し、「マジスカ学園!」ってなりました。 今から記事を書き直します・・・(泣)。 動脈硬化性疾患予防ガイドライ…

【読書記録】自分の興味を限定して自惚れていないか。(荒木飛呂彦「荒木飛呂彦の漫画術」)

読書記録。 今回は、「ジョジョの奇妙な冒険」の著者である荒木飛呂彦先生ご自身が書かれた、「荒木飛呂彦の漫画術」です。 荒木飛呂彦の漫画術【帯カラーイラスト付】 (集英社新書) 作者:荒木飛呂彦 集英社 Amazon ぼく自身が漫画を描いているわけでもなく…

【読書記録】知識は「ある」のであって「持つ」ことはできない(岸見一郎「ゆっくり学ぶ」)

読書記録です。 今回は、「嫌われる勇気」といったアドラー心理学の書籍を世に多く送り出している、岸見一郎先生の「ゆっくり学ぶ 人生が変わる知の作り方」です。 ゆっくり学ぶ 人生が変わる知の作り方 作者:岸見 一郎 集英社クリエイティブ Amazon 何かの…

息抜きしながら生き抜く

この2ヶ月(特に今月)、色々と大変でございました。 自分が選んだ道が、いつの間にかだんだんと、自分のやりたくたいものになってしまいそうだったけれど、ちょっとした自分の認知の仕方を切り替えるだけで、やっぱり楽しいと思えて、頑張ろうって思えるよう…

結局、「好き」が一番長続きする(バンド「ポルノグラフィティ」への偏愛)

そうか・・・。 ポルノグラフィティのファンクラブ(loveup!)に入って、はや17年目か・・・。 非常に飽きっぽい性格の自分が、これほどまでに長くひとつのことを継続していけるのは、ポルノグラフィティが最初で最後かもしれません。 2004年にシスターがリ…

【読書記録】本の感想を書いていたと思ったら、なんか「暇ができることへの後ろめたさ」の考察がはじまった(「書く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な文章力〜」)

本の感想 暇ができることへの後ろめたさ 本の感想 ここ最近、公私ともに多忙な日々が続いていて、文章を書くことから遠ざかっていました。どうしても時間がかかるし、億劫になる。 「『書く』やる気を起こさせてくれるような本がないかな」と探していたとこ…

【読書記録】「医療者が語る答えなき世界 -「いのちの守り人」の人類学」

医療人類学者・磯野真穂さんの著書。インタビューを通して、医療者の苦悩や葛藤が描かれていて、人類学的視点から考察されている。 特に気になったのは、医学と医療の違い、そして「患者中心の医療」のこと。 ・・・ p163 「医療者の仕事の根幹は、モノとし…

桜の苗木を植えるようなお仕事

桜の季節ですね。 桜スポットをいくつかまわってみたけれど、結局自宅近くが1番咲き狂っていて綺麗でした ふと思ったのですが、僕たちがみて楽しんでいる桜並木って、何十年も前の人が植えてくれた桜なんですよね。 桜の苗木を植えている人は、その桜が大き…

みんながもっと気楽に家庭医療学を学べたらいいのに。

個人的な関心もあって、私は哲学に関する書籍を手に取ることが多いです。 哲学の一般的なイメージといえば、「難解」であったり、「生活に役立たない」など、ネガティブな側面が思い起こされることが多いのではないでしょうか。 その一方、哲学を日常生活や…

2022年1月に岡山の家庭医が手にした本とオススメ本

2022年になってもう1ヶ月がおわりましたね。風のように過ぎ去っていきました・・・。明日から2月ですが、頑張っていきましょう! 今回は、2022年1月の1ヶ月間に手にした本や読み終わった本をまとめています。 書籍一覧 ■「他者と生きる リスク・病い・死をめ…

【セミナーのお知らせ】「私のおすすめの一冊、教えます。」【これ、絶対おもしろいやつ】

今回はセミナーのお知らせです! 私が所属している、適々斎塾若手部会による企画です。 ******** 医学生・研修医向けオンラインセミナー「合水塾」 来る3月19日(土)、適々斎塾 若手部会企画 第3弾が開催されます! 今回のタイトルは・・・ 「私のお…

【読書記録】「他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学」

「他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学」 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学 (集英社新書) 作者:磯野 真穂 集英社 Amazon 時間の合間をぬって、一気読みしてしまいました。それくらい面白かったです。 この本は、全体を通して「手ざわり…

【読書記録】格差はなくなるのか?格差はゼロにしたほうがいいのか?(「格差という虚構」)

読書記録。 今回は小坂井敏晶さんの「格差という虚構」です。 格差という虚構 (ちくま新書) 作者:小坂井敏晶 筑摩書房 Amazon タイトルだけみると、「格差なんて本当は存在しないんだよ」と言いたいのではないかと誤解されてしまいそうですがそうではなく、…