統合ケアの概念モデル『カオスの虹』について
今更になってようやく、統合ケアの「カオスの虹」がすこしわかってきた気がする。
支援機能の連携である機能的統合(Functional integration)と、文化や価値観の共有をおこなう規範的統合(Normative integration)を基盤としながら、ミクロレベル(個人を対象)では臨床的統合、メゾレベル(グループを対象)では専門職統合や組織統合、マクロレベル(住民レベルを対象)ではシステム統合をおこなっていく。
方向性として機能的統合の側面が強ければ、Triple Aim OutcomeのうちのCost & Utilizationが達成されていき、規範的統合の側面が強ければExperience of Careが達成されていく。Triple Aim OutcomeのうちのPopulation healthは機能的統合と規範的統合のどちらも必要となる。
藤沼先生のブログエントリーも非常に参考になります。
※参考文献および引用元
・Valentijn PP, Schepman SM, Opheij W, Bruijnzeels MA. Understanding integrated care: a comprehensive conceptual framework based on the integrative functions of primary care. Int J Integr Care. 2013 Mar 22;13:e010.
・Valentijn PP. Rainbow of Chaos: A study into the Theory and Practice of Integrated Primary Care: Pim P. Valentijn, [S.l.: s.n.], 2015 (Print Service Ede), pp. 195, Doctoral Thesis Tilburg University, The Netherlands, ISBN: 978-94-91602-40-5. Int J Integr Care. 2016 May 3;16(2):3.
2023/08/27 東京出張2日目 学会登壇&下北沢で本屋を巡る
東京出張2日目
病院総合診療医学会学術総会@日本医科大学 学生セッション登壇
総合診療のサブスペシャリティについて。学生が主体となった企画で、自分は気軽な気持ちで参加した。一応、座長ではある。
そもそも専門医をとったほうがよいのかという議論もでたりして、なかなかおもしろかった。意見の違いをたのしめるようになったのは、自分に余裕ができてきたからかもしれない。ああ、そういう意見もあるよね、みたいな。
専門医制度のセッションに座長として登壇しておきながらなんだけれども、個人的には専門医資格はどちらでもよいという考えです。自分の診療や興味の方向性とあっていて、学んで経験していった結果としてとれるようなものくらいにしか思っていません。
学術大会に参加後、下北沢に繰り出す。
本屋B&B。バリューブックスの内沼さんのお店。本と一緒にビールが飲める。選書も素敵。イベントを頻繁に行うから、ホールの本棚はキャスターがついていて動かしやすいようにしている。本屋× カフェ・バー×イベントスペース
自分にも本屋ができたらいいな。というか、やっぱりやってみたい。意外とすぐにできるかもしれない。お金は多少かかっちゃうのだろうけれど。どれくらいかかるだろうか。
はじめは移動本屋とかどうだろうか。車に本をいっぱいにつめこんで、まちにくりだす。本をベースに、そのところどころでコミュニティスペースをつくるような、そんな移動本屋。
本屋 B&B
2023/08/26 東京出張1日目 神保町で本とカレー
飛行機、揺れが大きい。
キャビンアテンダントの何気ないアナウンスが、なぜか印象的だった。「雨雲を通過中のため機体が揺れておりますが、飛行には影響はございません。どうぞご安心ください」。このアナウンスにとても安心できた。飛行機の揺れって結構こわい。もしかしたらこのまま落ちてしまうんじゃなかろうかと思ってしまう。キャビンアテンダントのアナウンス、ありがとう。
神保町に繰り出す。
東京って急に雨が降り出すんだなぁ。東京についた途端、大雨が降り出した。ゲリラ豪雨ってやつだろうか。自分の雨男っぷりも発揮できた(?)。降水確率30%ときいていたから、雨はふらないだろうとおもっていたのに。傘はもっていっていなかった。靴もメッシュだし。今度からは必ず折りたたみ傘をもっていこう。
噂にきいたとおり、カレーは美味だった。欧風カレー。
昼はガヴィアルでビーフカレー中辛+チーズトッピング+大盛り。夜はボンディでビーフカレー辛口+チーズトッピング+大盛り。正直食べすぎた。
本を読める店、fuzkue
憧れていたところにようやく行けた。本を読む場所作りへの、徹底したこだわり。時間を忘れて過ごせる場。
顔見知りくらいの近すぎず遠すぎずの程よい繋がりができるような、そんなコミュニティスペースとしての可能性も感じた。
宿泊先はBOOK HOTEL。
本を読むのにちょうどいいホテルだった。エレベータホールのところにも本がおいてあり、部屋の中にもたくさんの本がおいてある。事前にアンケートに答えていたから、おすすめの2冊が準備されていた(けれど、自分にはあまり響かず)。
2023/08/25 診療にかけられる時間について
診療にかけられる時間について。
外来や訪問診療をふくめて、医療は時間制限がつきものである。無限に時間があるわけではない。限られた時間内で診療を行わなければならない。これはどの仕事でも同じ。別に医療に限った話ではない。ただ、緊急性があればより時間を意識した診療が必要だし、トリアージもその一つだろう。
時間は限られているのである。タイムパフォーマンスとか、そういう話ではない。患者が多く受診している現状で、じっくりと時間がかけられる訳ではないということ。周囲の状況をみながら、診療せざるを得ないだろう。
たくさんの患者が待っている状況なのであれば、ひとりひとりにかけられる時間は当然限られてしまう。その限られた時間のなかで、患者中心の医療を実践し、よりよい医療が提供できるかどうかが重要だ。もちろん時間をしっかりかければ、だれだって患者中心の医療をおこなうことはできるだろう。ただ現実はそうではない。
時間は限られている。その時間で患者中心の医療をどう実践できるかが、忙しい臨床現場における家庭医としての腕のみせどころだ。自分の目の前の患者だけでなく、待っているたくさんの患者らを、このあと診察するのである。現状認識をしながら診療をおこなわなければ、どんどん後ろにずれこむ。当たり前の話だが、それができていないことも多い。
経営的な側面としても、時間あたりの診療患者数が少なければ、それだけ利益は減り、継続していくことができない。
患者さんをできる限り待たせたくないという気持ちが強い。
待たせてしまってもしょうがない、では済ませたくない。
こだわりというか、ちょっと強迫的な側面もあるかもしれない。
自分が患者・家族側だったら、何時間も待ちたくない。
余裕をもって診療したいという気持ちは僕もあるけれど、そこはぐっと我慢しつつ、どうしても時間を削りながら、必要十分な診察で終了せざるを得ない。その見極め、マネジメント。もっと意識したらどうだろうか。僕もそういう意味では、まだまだ未熟な部分が多い。
たしかに忙しい現場は、そもそもマンパワーが足りていない可能性が大いにある。それは踏まえつつも、自分が変えられるところがないかどうか、意識次第で変われることがないかどうか、考えてみても良いかもしれない。
タイムマネジメント。時間は有限。