現在総合診療界隈で話題になっている「5万円問題」に関して、当事者の総合診療専攻医である私の感じたこと・意見を述べます。
昨日(2020年12月17日)、突然専門医機構から下記のようなメールが届きました。
たしか、専門医機構・総合診療専門医検討委員会の大きな方向性は、まずは専攻医の数を増やすことが目標であると掲げあげていらっしゃったと思います(ここではその良し悪しについては置いておきます)。
ただ今回の「5万円問題」はわたしにとって、意図して専攻医の数を減らしにかかってきているようにも見えます。うがった見方かもしれませんが、私にとってはそう感じます。
専門医としての総合診療医の研修内容を検討する委員会であることから、総合診療に精通した方々の集まりであると存じますが、あまりにもその説明内容・方法がお粗末です。
病状説明に例えるなら、
「急な話ですが、あなたは癌です。医師の中でいろいろ考えてみたのですが、今週中に手術をすることに決定しました。手術しないと死にます。そういうことですので、よろしくおねがいします。」
みたいな、医師国家試験で選択したら禁忌にちかい内容です。
もし本当にその金額を集める必要があるのであれば、少なくとも当事者である専攻医や指導医との対話のプロセスを経た上で、決定されていくものだと思います。
これ以上、専攻医の熱意を削ぐようなことはやめてください。
未来の総合診療医の芽を摘まないでください。
ただ私達は、ひたむきに研修を積み上げていって、
家庭医・総合診療医になりたいだけなのです。
邪魔しないでください。
専門医機構の皆様、本当にお願いします。
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※以下、届いたメール内容に対するツッコミ
>この度、総合診療版J-OSLER、J-GOAL(電子版研修手帳)のシステムを使用していただくにあたり、専攻医の皆様に受益者負担の観点より費用のご負担をいただくことになりました
https://www.tama-100.or.jp/cmsfiles/contents/0000000/515/juekisyafutan.pdf )
「なりました」と書かれていますが、いつの間に決まったんでしょうか。
>ご負担いただく費用に関しましては、他領域専攻医の(学会費やシステム利用料)と比較検討し、
→ なぜ他の領域専攻医と比較する必要あるのか。もしかしたら「他の専門研修の専攻医はもっとお金を払っている」と外野から意見されるかもしれませんが、今回の問題は金額の高低にあるわけではないです。
というか、あれだけ総合診療は特定の学会との関連性は持たないって言っていたのに、こういうときだけ学会をもちだしてくるのもおかしい。
>専攻医一人あたり 5 万円(登録管理料 2 万円、研修期間中のシステム使用料 3 万円、消費税別)とさせていただきます。
→ 消費税がかかるなら、はじめから含まれた金額を書いてほしい。というか消費税かかるんでしょうか。
>専攻医の皆様におかれましては、大変恐縮に存じますがどうかご理解いただきますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
→ これですぐに「ご理解」いただける専攻医がいると本気で思っているのであれば、かなり感覚がずれていらっしゃると思います。