岡山の家庭医の読書・勉強ブログ

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臨床に活かせる「問い」の立て方を学ぶ

読書記録。

哲学関連の本は、日常のスパイス的に読むことが多いですが、この本は日常に活かせるかたちで、「問い」の立て方を解説してくれています。

日常には、「すぐに解決策が出ない問題」や「問題が複雑にからみあい、何を課題として設定すればいいのかわからない問題」がたくさんあるもの。

 

 

「問い」に「問い」を重ねていくことで、問題の真因を見極めていくことができます。

つまり、課題となっている問いに関する「さらなる問い」を立てていくことが重要であるとかかれてあります。

 

 

臨床現場では、まさに「もやもや」事例がたくさんあります。

このとき、患者さんが話してくださる希望にそって、言葉を額面通りに受け止めればOK、というわけでもありません。真意はさらに奥深くにあることも多々あります。

 

「結局の所、何が重要なのか?」

「本当にこれが解決するべき課題なのだろうか?」

 

今目の前にある問いの前提を疑う

 

 

 

例えば、現在の病状ではすぐに帰宅は難しい患者さんが、「はやく家に帰りたい」と希望されているとき。

 

「どうやったら家に帰ることができるだろう?」という問いをたてて考えることも必要だが、まずはその問いの前提を考えてみる。

ここでは、「なぜはやく家に帰りたいのだろうか?」と、思いつく。そりゃ誰だって家に帰りたいでしょ、とすぐに閉鎖してしまわず、当たり前だと思った前提に問いを立ててみる。

 

もしかしたらこの問いを立ててみて患者さんにたずねてみたら、もしかしたらその答えによっては、「家に帰る」ということだけが手段でないかもしれない。

 

 

 

とてもシンプルなたとえ話をだしてみましたが、これって意外とできていなかったりしますよね。実はもやもやしてる問題が、問いをうまく深められておらず、浅いところで悩みつづけてしまうことも多いです。

 

悩みの本質とは、「解決策が見つかっていない」ことではなく、「何が「真の問題」かわかっていない」こと

 

 

 

 

この本には、対話のファシリテーションスキルに関しても解説されているので、またまとめてみようと思います。

 

 

 

【参考にさせていただいた本】