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【書評】実践 SDH診療 できることから始める健康の社会的決定要因への取り組み 【実践的なSDH書籍の決定版】

【実践的なSDH書籍の決定版】

実践 SDH診療 できることから始める健康の社会的決定要因への取り組み 

自身の関心領域の書籍であり、早くから手元にあったものの、忙しさでなかなか読み進められていませんでしたが、ようやく一通り読み終えました。どうしても精読したかったので。


決定版といっても過言ではない一冊。健康の社会的決定要因(SDH)や健康格差に関する概説はもちろんですが、各種要因に関する知識や、それに対する具体的な取り組み方、そしてなによりSDHへ取り組むにあたって意識しておくべき姿勢や注意点が分かりやすく、そして多角的に解説されており、プライマリ・ケアに限らず、全医療者必読の一冊であることに間違いありません。


どの項目も素晴らしいのですが、最終章に書かれてある水本潤希 先生のコラム「SDHに取り組む医療者のために」に、最も心を揺さぶられました。このコラムを読むためだけでもこの本を買う価値があると思います。


帯に書かれた武田先生のコメントにもあるとおり、医療者もどこか救われる一冊です。

ぜひ。