自分が何のために働いているのか? 〜働く動機の5段階〜
読書記録。
今回も村山昇先生の「働き方の哲学」から(ハマっています)。
最近は自分のキャリアについて深く考えることが多くなっています。
「何のために働くのか?」
どんな人も、必ず一度は考えるはず。
筆者の村山先生は、働く動機には5段階(図1)あるといいます。
図1:働く動機の5段階(p175〜179より)
①金銭的動機:お金のため。
当たり前ですが、この現代社会で生きていくためにはどうしてもお金が必要です。お金が動機というのは必ずしも卑しいことではなく、「生きていかねばという自分」がそこにあるのです。ただし、金銭的動機は最も「外発的(やる気が単発的・反応的)」で「利己的」な動機であります。
②承認的動機:認められたい。帰属していたい。
私も含めて、ひとは誰しも他人から自分を認めてもらいたい、高く評価してもらいたいという欲求があります。承認欲求ですね。SNSとかで「〜ができました!(どや)」みたいな投稿もその1つですね(皮肉ってはいますが、自戒を込めて)。
また、なにかの仲間に入っておきたいという帰属欲求もここにあたります。
③成長的動機:伸びたい。深めていきたい。
はじめは知識もスキルもなく、できないことばかりだった自分が、徐々に仕事にもなれてきてできることが増えてくると、もっとその能力を伸ばしていきたい、深めていきたいと思うようになり、もっとその仕事がやりたいと感じるようになります。なにかの報酬を得るためではなく、その仕事自体に動機を見出しているので、「内発的(やる気が持続的・意思的)」な動機にあたります。しかし、まだ「利己的」な動機です。
この上記①〜③はいずれも利己的動機であり、常に「利己の重力」、「生活維持の重力」がかかるとされています。この①〜③がある程度満たされる生活の中では、後述する④、⑤の動機に視線がいきづらくなります。かくいう私もまだまだこの①〜③の中でとどまってしまっていると思います。
ここから先が「利他的」な動機になります。
④共振的動機:他と分かち合いたい。ともに行動したい。
承認的動機が他者から認められたいという受動的なものである一方、共振的動機は能動的に他者と結びついていき、共有する方向に向かっていこうというものです。自分ひとりだけではなく、他者と共に何か行動を起こしたいという熱量があります。この段階から「利他的」な動機にかわっていきます。
⑤使命的動機:大いなる意味を満たしたい。
世の中に向かって大きく開いた状態で、自分が見出した大いなる意味、社会的な意義を満たすために一途にひた走る状態です。
この使命的動機を見出し、邁進していった結果、そのほかの動機も上から順番に満たされていくとのことです。これを「シャワー効果」と表現されています。
使命的テーマに邁進(⑤)
→そのテーマに共振する仲間。支援者との出会いが生まれ、深いつながりができる (④)
→ そのテーマを成し遂げるための能力発揮・習得・再編成(③)
→ そのテーマの仕事が人々の耳目に入り、注目をあびる(②)
→ そこに報酬が与えられ、経済的自由を得る(①)
使命的テーマはみつかるのか?
私はまだまだこの使命的テーマは見つけられていません。「地域医療を通じた人々の健康的な生活のサポート」という価値観は土台にありますが、これがイコール、使命的テーマかといわれたら、なんだかまだ実感を伴っていません。「使命的」という言葉からも、「命を使って」までやりたいと思えることはなんなのか、そもそもそんなことが果たして見つかるのかどうか・・・。そういって悩んでばかりでは先に進むこともできないので、今現在一番の私の動機となっている「成長的動機」を大切にしつつ、見えてくるであろう壁にぶち当たってその壁を壊した先に、次の動機が見えてくるのではないかと思っています。
【参考にさせていただいた本】