【読書記録】
「働き方の哲学」より、気になったポイントを深堀りしていきます。
今回、「キャリアとは何?」という部分にフォーカスしていきます。
キャリアをつくる要素とは?
キャリアとは、日々の仕事における行動や役割、成果の連鎖・蓄積のことであり、仕事の軌跡です。
このキャリアを推し進めていく要素・影響を与える要素として、筆者の村山先生は図1のように「3層+1軸」に分けて考えています。
図1:キャリアを作る要素 (p37より)
第1層は、「知識・技能(スキル)・資格・人脈」です。
日々の業務を遂行していくために必要な能力的資源・資産であり、生き残っていくための武器とも言えます。
第2層は、「行動特性・思考特性・態度・習慣」です。
行動や思考の傾向は人それぞれ異なっており、その癖や習慣が第1層の能力を操るのに重要な働きをしています。
第3層は「マインド・価値観」です。
働く上での意識や優先する価値、動機がここに含まれていて、日々の業務に始まって仕事人生に至る最も根底の部分となります。
そして私達はこれら3層を内面に持ちながら、何を成し遂げたいのか、どこに向かっていくのかというベクトルを持っていて、これが「志向軸」です。
短期的には業務課題となりますが、中長期的には夢や志、理想といった軸になります。
この「3層+1軸」に加えて、健康や雇用状況、家族状況、居住地、景気・社会状況といった環境要因もまた、キャリア形成に影響を与えるとされます。
見てわかる通り、ただ知識や技能、資格や人脈といった第1層部分だけでキャリアが形成されているわけではなく、むしろ第2層、そして第3層のマインドや価値観がその根底にあります。
私個人のことを振り返ってみると、日々の臨床業務の中で、その業務を乗り越えていくために必要とされる技能や知識を獲得しながら、さらなる技能や知識を求めていく、というサイクルになっている気がしていて、第1層部分だけでもがいているような状況です。
もちろんまだまだ経験も浅い状態なので、必要とされる技能・知識を身に着けていき、そこに関心を強く持つこと自体は問題ないと思うのですが、第2層や第3層の部分をあまり深く考えずに来てしまった気がしています。
特に第3層の自分の価値観は結局の所どうなっているんだろうと、ここで再考してみることにしました。この本にも書かれてありましたが、職業人としての自分を何で定義するのか、それには3段階あるとのことです。
職業人としての自分を何で定義するのか
①勤務会社・役職で定義する
「私は〇〇病院に勤めています」
②職種で定義する
「私は医療に携わっていて、医師です」
③提供価値で定義する
「私は仕事を通して〇〇という価値を届けています」
この提供価値こそが、自分自身を真に定義づけるものであり、自分がキャリアを形成していく上での土台となっていくものです。提供価値が最上位の目的であり、その手段は決してひとつではありません。
そして改めて考えてみましたが、私自身が提供したい価値は「地域医療への貢献を通じた、地域の人々の健康的な生活のサポート」だと思いました。そのための1つの手段として、自分が家庭医になるということもそうですが、家庭医だからといって必ずしも診療所で働く必要はなく、そして必ずしも臨床中心のキャリアでなくてもよいことがわかります(そうはいっても今は臨床が楽しいので、しばらくは臨床医でいたいです)。
これらを土台に持ちながら、自分の行動特性や思考特性を飼いならしつつ、技能・知識を身につけていこうと思います。
【今回参考にさせていただいた本】