岡山の家庭医の読書・勉強ブログ

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「図解 使える失敗学大全」 を読んで

読書記録です!

 「図解 使える失敗学大全」

図解 使える失敗学大全

図解 使える失敗学大全

 

 


本屋でジャケ買い

失敗学」を専門とされている畑村先生。

内容は、失敗が起こった際のマインドセットやその分析方法、失敗から創出していくときのポイントについて、簡潔に書かれてありました。失敗に限らず、日々の診療の振り返りにも応用していけるなと思います。


失敗を生む五大原因は診断エラー学に通じる部分もあります。


「途中変更の罠」とかは、病棟トラブルでこれまでに嫌というほど経験してきたので、感覚的にわかります。変更になった指示やオーダーは、目に見える形で記録を残して、伝達しないとミスのもとですね・・・。


イデア創出の部分にも触れられており、「課題発見能力」の重要性も強調されていて、こちらもこれまでの読書内容に通ずるものでした。
以下、気になったポイントのメモです。

 

  • 人は弱いということを受け入れるべし
  • 失敗をしてしまったあとは、「鈍感」になるべし

  • 正当性の主張はコストパフォーマンスが悪いこともある
    「被害最小の原理」で、自分の被害が一番小さいようにしておいて、あとからリベンジする!

  • 失敗を生む5大原因:未知、無知、不注意、手順の不遵守、誤判断

  • 伝達不足は失敗の連鎖のもと
    縦の連携はあっても、横の連携が不足している

  • 「途中変更の罠」
    伝達の漏れや遅れが生じて、失敗に結びつく

     

  • 客観的な失敗情報ではなく、一人称の生々しい情報が振り返りには重要

  • 失敗情報を記述するた目に必要な6項目:事象、経過、原因、対処、総括、知識化

  • 失敗を防ぐモノの見方:現地・現物・現人

     

  • イデアをブラッシュアップする5つの窓:人、モノ、カネ、時間、気

  • 潜在している欲求を発見して、「価値の世界」をいかに「物の世界」に結びつけていくかが大切