岡山の家庭医の読書・勉強ブログ

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環境があなたを作る(読書記録:FULL POWER)

読書記録。

今回は「FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略」です。 

 

一言でこの本の内容を伝えるなら、

「自分を変えたいなら、環境を変えろ」

ということです。

 

 

この本のコアであろう文章が下記のもの。

 私達は環境に適応する。そのため、個人レベルで意識的に進化していくためには、環境を意図的にコントロールして、なりたい自分を形作ってくれる環境を構築する以外に道はない。

人生にあるものはすべて、自然で有機的な働きの中にあることを忘れてはならない。私たちは自分が選んだ環境に合わせて適応し、進化していく。

環境があなたを作るのだ。

変わりたいなら、自分の環境を変えよう。意志力でなんとかするなんて考えは、もうやめよう。(本文9ページより引用)

 

 

この本の著者は、

意志力」つまり「内的または外的な障害に反して自由意志を発揮する力」は、

目標設定ができておらず、あったとしても目標に対する欲求がそこまで強くない人が、決断するまでに最小限ながら進んでいくために使うものであるとしていて、

「意志力」の強さだけに頼ることは、本当の意味でのコミットメントではないとしています。

簡単に言うと、目標達成するには気合いだけでは無理、ということですね。

もちろん意志の大切です。ただ、それだけでは人生に変化は起こすことはできない。

 

 

 

環境を変えること

本当の意味でのコミットメントとは、自分の中にある内なる決意や意志の強さだけに頼ることではない。目標の外周を防御システムで固めてしまうということだ。

つまり、

「目標を確実に達成できる環境」を自分で作り上げるのだ。(本文ページ8より)

 

環境を変えることは、自分自身の選択によってなんとかコントロールできる部分があります。

例えば私は今、家庭医として研鑽を積んでいる状況で、昨年は大学院へ通学しながら大学病院勤務をしていましたが、今年1年は内科領域を中心とした急性期〜亜急性期のマネジメント能力向上を目標に、市内の急性期病院での研修を選択しました。

これもまた、目標を達成するために環境を変化・選択したことだと思います。なんら特別なことではありませんね。

 

そして、次のことを理解しておく必要があるそうです。 

・自分に何ができるかは、意志力ではなく「状況」による

・あらゆる環境には「ルール」がある

・あらゆる環境には「上限」がある

・人の価値観は絶対的ではなく「相対的」

・人は常に「役割」を演じている

(本文81ページより)

 

ん〜なんとなく認めたくない部分もあるのですが、心のどこかで確かにそう思う自分もいます。特に「人の価値観は絶対的ではなく「相対的」」という部分。できれば絶対的なものであってほしいですが、そうもいかないことも。

 

 

 

 

 

依存症について

この本には、依存症に関しても取り上げられています。

依存症の反対は「つながり」だ。依存症とは実のところ、人との健全なつながりの欠如が顕在化したもので、孤立と孤独の産物であり、さらなる孤独を生む悪循環を作り出す。(本文168ページより)

意義深い人間関係がない時、その空洞を他の何かで埋めようと必死に探し求めるのだ。(本文169ページより)

砂地獄から引き出してもらうためには他の誰かの助けが必要であるように、依存症から抜け出したければ、社会的支援(外的環境の変化も含めて)が必要だ。(本文171ページより)

 

依存症は環境が作り出したもの。これはまさに

健康の社会的決定要因(Social Determinants of Health:SDH)ですね。

孤立、ストレス、薬物へのアクセスがしやすい、そういった環境が依存症へと導きます。これは意志力でなんとかなるものではありません。

依存症が意志力、個人の努力だけで乗り越えられるものだと勘違いされることによって、スティグマが生じやすいとされています(帰属理論)。

このことを知っておくだけでも、依存症の方に手を差し伸べてあげることの重要性が理解できるかも。

 

 

 

 

「乗ってきた船」を燃やす

話を少し戻して、どうやったら目標に向けて100%全力で打ち込めるようになるのか。

 

そう、逃げ道をなくすこと

 

すごくシンプルですね(笑)。でも実は結構、勇気いりますよね・・・。

 

もう先に進むしか無いという状況になるポイントを「帰還不能」というみたいです。目標を避けるよりも、そちらに向かって進むほうが楽になるというポイント。

この帰還不能点を作り出す方法の一つが「金銭の投資」です。

後戻りできない程度、自分に必要だと思うことに金銭の投資を行う。投資は強制機能であり、帰還不能点となることによって、自分が作りたい変化に完全に打ち込めるようになる出発点となる。

人間は選択肢を持っておきたいと本能的に感じますが、選択肢が多すぎると迷いが生じる。自ら選択肢を減らすことで、集中できる環境を作り出す。

 

 

 

 

・・・・

 

ということで、この本で気になった部分をピックアップして、まとめてみました。

自身の成長は自分次第というのはもちろんですが、意志力に頼りすぎることなく目標を達成できる環境に変化させる、選択すること自体が自分の意志であることを感じさせられました。

 

 

 

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(写真:山盛りのサガリ定食)