岡山の家庭医の読書・勉強ブログ

岡山の家庭医のブログです。総合診療や家庭医療、哲学、ビジネス、いろいろ。

いい年になってもポケモンの映画を観に行ってしまう

雑記。このブログ、最近は全然医学のことを書いてません。

今回はポケモン映画について書き連ねます。

 

大人こそ、ポケモン映画を見に行くべき

ここ4年間、ポケモンの映画は毎年観に行っています。

というのも、4年前からポケモンの映画はテイストが若干変わっていて、大人も楽しめる作品になっています。

 

現在の映画も、これまで通り伝説のポケモンを中心にストーリーが進むことには大きく変わり無いのですが、明らかに大人を意識したストーリーになっているような気がします。

 

今のポケモンのアニメは新しさと懐かしさがいい感じに混ぜ合わさっていて、特に20代のポケモン直撃世代にはより楽しめるんですよね。

 

 

歴代ポケモン映画の中で好きな作品は以下の4つですね。f:id:yktyy:20201226163252p:plain

第1作目:ミュウツーの逆襲

第5作目:水の都の護神 ラティアスラティオス

第20作目:キミにきめた!

第21作目:みんなの物語

 

 

 

 

今年のポケモンは親子におすすめ

www.pokemon-movie.jp

というわけで、今年の映画も観に行ってきました。

今年の映画のテーマは「親子」。

ポケモンと人間のあいだに「親子」という関係性はなりたつのか?

そもそも「親子」とはなんなのか?

 

じぶんにはまだ子供はいませんが、親子とはなにか、育てるとはなにか、考えさせられました。こどもをはじめて持ったとき、そのときはだれもベテランの親である人はいません。試行錯誤しながら、時にはこどもと衝突しながら、親自身も成長していくものなのだと思います。ザルードの心の変化も注目です。

 

そして今作には、「自分はなにものなのか?」というアイデンティティを問うものや、環境破壊、多種族の共生など、様々なテーマが散りばめられています。

ポケモンに育てられた人間は人間なのか?ポケモンなのか? なにをもって自分は人間だというのか? ココの成長もまた注目です。

 

 

そしてなにより、サトシやポケモンたちのひたむきさに心打たれます。

サトシは本当にまっすぐ。夢を追いかけて、正しいと思ったことを貫き通して、決して諦めない。ポケモンたちと一緒に困難に立ち向かう姿に、毎回感動します。こどもにもわかるようにシンプルな演出ではありますが、それでもなんだか感動します。

 

そこに合わさるように、たくさんのポケモンが力をあわせてひたむきに頑張り、困難に立ち向かう姿に感動します。もうなんか、クライマックスのバトルシーンとか、毎回泣きそうになります。涙腺緩みおじさんです。

 

 

単純にポケモン自体がかわいいので、それ目的でも十分です。

相変わらずピカチュウは可愛いです。ピカチュウの仕草や表情が丁寧に表現されてあって、みていて飽きません。なにより強い。しっぽで鉄を切ります。

 

そしてまさかのホシガリのフィーチャー。ホシガリスファンが増えそうです。

zukan.pokemon.co.jp

 

ウッウも映画のアクセントになってます。

zukan.pokemon.co.jp

 

 

 

今年の映画は例年に負けず劣らず感動できるので、感染対策に気をつけながら、ぜひ観てもらいたい作品です。ピカチュウかわいい。

www.pokemon-movie.jp

真に豊かで生きるに値する社会とは?(「ビジネスの未来」)

読書記録。

 今回は山口周さんの「ビジネスの未来」です。

無限の上昇志向・成長志向にとらわれてしまっている現代の資本主義をハックし、アップデートしていくための思考や行動様式、その先の文化的豊かさを目指した社会を実現していくための具体的提言が書かれてある本です。今後自分たちが作り上げていくこととなる社会の、ひとつの目標点を提示してくれています。

マクロな視点で書かれてあるのですが、本書終盤に書かれてあるとおり、わたしたち一人ひとりが自分事として取り組むことの重要性を、認識させられました。

ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す

ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す

  • 作者:山口 周
  • 発売日: 2020/12/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

★スライド1枚まとめ★

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コンサマトリーな思考・行動様式

経済合理性だけでは解決できない社会問題の解決には、

「未来のためにいまを犠牲にする」という手段手技的=インストゥルメンタルな思考・行動様式から、

「永遠に循環する ”いま” を豊かに瑞々しく生ききる」という自己充足的=コンサマトリーな思考・行動様式への転換が必要である、と書かれてあります。

 

これまでの経済活動はインストゥルメンタルな思考・行動様式だというわけですが、直感的な「〜したい」という衝動による活動は、なにかを我慢して利益を得るというわけでなく、それ自体が利得であり効用であり、文化的な豊かさにつながったり、ソーシャルイノベーションにつながる、ということです。

 

VUCAな時代で将来を見通すことが非常に難しくなった現在。何が正解で、何が勝ちがあるのか、これまで以上に短いスパンで変化しています。

新型コロナウイルス感染症のように予想もしない事態が訪れ、未来の利益を夢見て今を我慢し積み上げていったレンガは、ある日突如として崩されてしまう可能性が高いです。

コンサマトリーな思考、つまり「いま、この瞬間に感じられる愉悦・官能という利得によって行為のコストが回収される活動」という考え方は、現代をより良く生きる方法として理にかなっているのかもしれません。

 

自分事として問題を捉える

本書終盤で気になった部分を最後にメモしておきます。

「どこかにいる誰か」によって問題が起こされている以上、それを修正するのもまた「どこかにいる誰か」だと考える人で世の中は溢れかえっている

(中略)

「いまここにいる私」によって問題の多くが引き起こされている以上、革命もまた「いまここにいる私」から始められなければならない

 

専門医機構から突然「5万円払え」とメールがきた件について

現在総合診療界隈で話題になっている「5万円問題」に関して、当事者の総合診療専攻医である私の感じたこと・意見を述べます。

 

昨日(2020年12月17日)、突然専門医機構から下記のようなメールが届きました。

 

 

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たしか、専門医機構・総合診療専門医検討委員会の大きな方向性は、まずは専攻医の数を増やすことが目標であると掲げあげていらっしゃったと思います(ここではその良し悪しについては置いておきます)。


ただ今回の「5万円問題」はわたしにとって、意図して専攻医の数を減らしにかかってきているようにも見えます。うがった見方かもしれませんが、私にとってはそう感じます。


専門医としての総合診療医の研修内容を検討する委員会であることから、総合診療に精通した方々の集まりであると存じますが、あまりにもその説明内容・方法がお粗末です。


病状説明に例えるなら、


「急な話ですが、あなたは癌です。医師の中でいろいろ考えてみたのですが、今週中に手術をすることに決定しました。手術しないと死にます。そういうことですので、よろしくおねがいします。」

 

みたいな、医師国家試験で選択したら禁忌にちかい内容です。


もし本当にその金額を集める必要があるのであれば、少なくとも当事者である専攻医や指導医との対話のプロセスを経た上で、決定されていくものだと思います。


これ以上、専攻医の熱意を削ぐようなことはやめてください。

未来の総合診療医の芽を摘まないでください。

ただ私達は、ひたむきに研修を積み上げていって、

家庭医・総合診療医になりたいだけなのです。

 

邪魔しないでください。

専門医機構の皆様、本当にお願いします。

 


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※以下、届いたメール内容に対するツッコミ

>この度、総合診療版J-OSLER、J-GOAL(電子版研修手帳)のシステムを使用していただくにあたり、専攻医の皆様に受益者負担の観点より費用のご負担をいただくことになりました

→ 「受益者負担の観点」ってなに?(受益者負担について:

https://www.tama-100.or.jp/cmsfiles/contents/0000000/515/juekisyafutan.pdf )

「なりました」と書かれていますが、いつの間に決まったんでしょうか。

 

>ご負担いただく費用に関しましては、他領域専攻医の(学会費やシステム利用料)と比較検討し、

→ なぜ他の領域専攻医と比較する必要あるのか。もしかしたら「他の専門研修の専攻医はもっとお金を払っている」と外野から意見されるかもしれませんが、今回の問題は金額の高低にあるわけではないです。

というか、あれだけ総合診療は特定の学会との関連性は持たないって言っていたのに、こういうときだけ学会をもちだしてくるのもおかしい。

 

>専攻医一人あたり 5 万円(登録管理料 2 万円、研修期間中のシステム使用料 3 万円、消費税別)とさせていただきます。

→ 消費税がかかるなら、はじめから含まれた金額を書いてほしい。というか消費税かかるんでしょうか。

 

 

>専攻医の皆様におかれましては、大変恐縮に存じますがどうかご理解いただきますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

これですぐに「ご理解」いただける専攻医がいると本気で思っているのであれば、かなり感覚がずれていらっしゃると思います。

逃げるは恥だが役に立つ

学びのメモ。

今日はVoicyで最近ききはじめた「歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)」の番外編から。

 

【番外編 #36】メンタルケア、どうしてる?(前編)【COTEN RADIO】

voicy.jp

 

メンタルヘルスをテーマに話がはじまり、社会の価値観・倫理観の生成プロセスまで話が広がっていておもしろい。

 

現代人の悩みの原因の一つである「べき論」は、現在の価値観・倫理観にある種、苛まれているから。


社会の一般的な価値観・倫理観はいきなり生まれるものでなく、歴史的に見てみると、

 

①社会にある変化が起こってから、
②それに対応するための制度がつくられ、
③そして徐々に価値観・倫理観(「〜するべき」という考え方)が生まれる、


とのこと。

 

この「〜するべき」という個別の事項は、意外と破っても大きな問題にならないことが多いし、破ったとしても罰せられることはない。

 

もし「〜すべき」という考えに押しつぶされそうなら、逃げる勇気をもつこと。
ここでいう「逃げる」とは、他の選択肢を常に考え持っておきながら、変化を恐れないことを指す。

 

まさに ” 逃げるは恥だが役に立つ ”ってやつですね。

いや、逃げても恥なくていいですね。

 

逃げる夢の意味とは?見た時の5つのポイント | 花言葉と夢占い