関係各所でいろいろな対立や紛争が勃発している(なにか特定のものを指しているわけではありません)ので、私の知っているコンフリクト・マネジメントに関して。
対立が生まれると、お互いの意見と意見がぶつかりあい、議論が平行線になることは少なくありません。
そして、いかに相手を納得させる(もしくはねじ伏せる)ことに力が注がれてしまっていることも多々あります。
オレンジの話
突然ですが、みなさんは次の「オレンジの話」をご存知でしょうか。結構有名なのでご存知かもしれません。
1個のオレンジがあります。ある姉妹が、この1個のオレンジを取り合っていました。
姉は「オレンジジュースが作りたい」といっており、妹は「マーマレードが作りたい」といっていて、お互いに譲る気配がありません。
どのように解決したら良いでしょうか?
方法はいくつかあります。
・半分ずつわける(妥協)
・一方が我慢して他方に譲る(服従)
・一方が無理やり1こを独り占めする(強制)
などなど。じゃんけんで決めるのも、どちらかがあるルールに基づいて妥協しているこことになります。
これらは二重関心モデルというモデルで説明されています。
https://www.tempstaff.co.jp/magazine/nippon/vol53.html より
「〇〇したい」というのは、主張にあたります。
しかし、主張の根っこには、目的やニーズがあります。
https://accreteworks.com/publicseminar-latestinformation/ikentairitsu より
お互いの目的やニーズを確認しフォーカスすることで、別の解決策を模索することができます。そして最終的にお互いがWin-Winな状態、協調をめざすことを統合型交渉といいます。
お互いの目的やニーズを確認してみると、実は根っこは同じだったということが結構あります。
今回の「オレンジの話」に戻り、姉と妹の目的・ニーズを確認してみると、
・姉は「仕事が忙しいお母さんがオレンジジュースが好きだと言っていたから、お母さんを喜ばせたくてジュースが作りたい」
というものでした。作りたいものはジュースとジャムで異なっていますが、実はふたりとも「お母さんを喜ばせる 」という目的は一致していたのですね。
ここで、料理好きなかたはピンときたかもしれません。
ジュースはオレンジの「身」があればできます。マーマレードはオレンジの「皮」をつかって作ります。そう、姉は身をつかって、妹は皮をつかって料理すれば良いのです。
お互いの最終的な目的を再確認する
これはコンフリクト・マネジメントでよく出される話なので、ご存じの方も多かったかもしれません。この話で何が言いたいかと言うと、「お互いに向いている方向は実はいっしょなのだから、もっとお互いの考えを共有して、共通の目的の達成のために建設的な議論をして、協力しましょう」ということです。なんだか弁証論的でもあります。
対立が生まれたときには一度立ち止まってみて、最終的な目的はなんだったのか再確認し、大局観を持った協調が必要かもしれません。