「しない」ことを選択する力 〜ネガティブ・ケイパビリティ〜
読書記録。
「すぐやる人の「やらないこと」リスト」とつながる形で、
今回は「「無為」の技法 Not Doing」という本を読みました。
「しない(Not doing)」という選択を取ることで生まれる余裕や能力の発揮について、まとめられた本です。
前回記事にも書きましたが、なにかにつけて「認められたい」という気持ちがどこかにあったりして、そして「〜しなければならない」という、どこか強迫観念を持って生き続けてしまい、自分を見失ってしまう危険性を再認識しました。
また、「NO」といえない人に多いチャンスを逃すまいという感情、というよりも「逃すのが怖い」という感情についてはこの本でも指摘されており、これを「fear of missing out:FOMO」というそうです。
まさに私も、このFOMOにとりつかれた一人であり、完全なるYes manでした。
「ない」を受容する力:ネガティブ・ケイパビリティ
言われたこと全てにとびつく、というのは理想形ではありますが、やはりそこには限界があり、すべての選択肢を残すことはできません。このFOMOの感情に向き合いながら、自分の限界を知りつつ、「しない(Not doing)」の選択をとる勇気を持つことが重要です。
この「ない」を受容する力のことを「ネガティブ・ケイパビリティ」といいます。
このネガティブ・ケイパビリティを養うことで、一旦立ち止まって考える時間や、アイデアを練る時間が生まれ、結果的にクリエイティブな方向につながるそうです。
また、危機的状況、緊急度の高い状況では即時的な対応が求められることも多いですが、このときにも考えるより先になんでも行動するのではなく、ネガティブ・ケイパビリティを持って「しない(Not doing)」を実践し、一歩下がって冷静かつ辛抱強く対応することで、問題解決につながります。
ただただ自分の不安解消のためにやみくもに動くのではなく、一旦立ち止まって「しない」ことを選択できる力、ネガティブ・ケイパビリティを持つことは、情報過多な現代において重要なスキルかもしれません。
【参考にさせていただいた本】
写真:近所の喫茶店のチョコアイスワッフル(2020年1月撮影)