「家庭医療学ってなに?」
そんな方にむけて、家庭医療学についてスライドにまとめてみました。
家庭医療の実践で基本となる、
生物-心理-社会モデル(Bio-Psycho-Socialモデル:BPSモデル)、
患者中心の医療の方法(Patient Centered Clinical Method:PCCM)
を特に取り上げています。
「家庭医療学ってなに?」
そんな方にむけて、家庭医療学についてスライドにまとめてみました。
家庭医療の実践で基本となる、
生物-心理-社会モデル(Bio-Psycho-Socialモデル:BPSモデル)、
患者中心の医療の方法(Patient Centered Clinical Method:PCCM)
を特に取り上げています。
内科専門医と総合診療専門医のダブルボードの件について。
ドクターズマガジン5月号の記事によると、専門医機構は、内科専門医が総合診療専門医を取得する要件は、小児科や救急研修の追加履修で可能とする方針にするとのこと。
しかし本来、総合診療には具体的な7つの資質・能力
(1.包括的統合アプローチ、2.一般的な健康問題に対する診療能力、3.患者中心の医療・ケア、4.連携重視のマネジメント、5.地域包括ケアを含む地域志向アプローチ、6.公益に資する職業規範、7.多様な診療の場に対応する能力)
を持つべきとされ、これはそもそも専門医機構から出されているものです。
しかし、このうちの総合診療の医学的包括性しか見えておらず、「総合診療=内科+救急+小児科」と勘違いし、総合診療専門医の数だけ増やそうとしているから、こんな間違った方向になる。
もちろん上記の7つの資質・能力は、総合診療医だけが持っている専門性ではなく、なんなら全ての医師が持つべきものです。そして、内科専門医研修でも、身につけることはできると思います。
ただ、上記の7つの資質・能力を意識しながら行う研修(総合診療専門研修)か、各専門科をローテーションしながら一通りの内科疾患を経験することを目的とする研修(内科専門研修)か、やはりその違いは意識するべきです。
名ばかりの総合診療専門医を増やしても、総合診療ができるとは限りません。
逆に言えば、総合診療専門医など持っていなくても、総合診療を実践されている先生は、何人もいらっしゃいます。言語化されていないその実践を、総合診療や家庭医療の文脈で言語化して学んで貰うだけでも、その先生はある意味、総合診療専門医だと思います。
総合診療専門医を排他的な専門医資格にしたい訳では決してないのですが、質を伴わないお手軽に取れる専門医資格(今でも十分そうかもしれませんが)に成り下がるのだけは御免です。
内科専門医研修と総合診療専門医研修のギャップをもう一度考察し、そのギャップを埋めるような追加履修が必要だと思います。これはもちろん、総合診療専門医をとった先生が内科専門医を追加取得したいときの場合も同様です。
本質を伴わない専門医資格・専門医研修は、無意味です。
※追記(2021/05/17)
専門医機構に問い合わせたところ、小児科・救急研修に加えて、総合診療研修も行う方針で議論を進めているとのことでした。続報を待ちます。
いつのまにか2021年も3分の1が過ぎ去っていました。
この間に購入していた書籍の一覧を残しておきます。
ぼくが読了した本で、皆様にもぜひ読んでもらいたいオススメのものは「オススメ」って書いています。ご参考ください。
◯厄介で関わりたくない精神科患者とどうかかわるか → オススメです
※成瀬先生のこれまでの臨床経験知が記されています。オススメ。
◯患者中心の医療の方法 原著第3版(日本語訳)
◯格差時代の医療と社会的処方 病院の入り口に立てない人々を支えるSDH(健康の社会的決定要因)の視点
◯THE内科専門医問題集1・2
◯取材・執筆・推敲 書く人の教科書 → オススメです
◯正義の教室 → 読了! → オススメです
※正義とはなにか?小説仕立てで、主人公とともに学ぶことができます。「史上最強の哲学入門」でおなじみの飲茶先生の本です。功利主義、自由主義、直観主義。そして現代につながるポスト構造主義。善く生きるとはなにか。
◯世界は贈与でできている → オススメです
※なぜわたしたちは勉強するのか?それは過去のアンサング・ヒーローからの贈与を、未来に渡していくためです。もっと早く読めばよかった。
◯DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール → オススメです
※この本を読んで、ますます書籍購入に拍車がかかりました。要は、お金を貯めることが目的じゃなくて、良い思い出や経験が増えるよう、そのときの1番のお金の使い方を考えようね、という本。一読すべし。
◯自由論
◯幸福について
◯読書大全
◯エマニュエル・トッドの思考地図
◯リフレクション
◯1分で話せ 2
◯14歳からの哲学入門
◯結果を出したい人は哲学を学びなさい ビジネスが180°変わる「問題解決」の授業
◯10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」
◯ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考
◯考えることは力になる
・・・
以下の書籍は、わたしも今年度参加申込をした、
病気の根っこにアプローチしたく、まちにでていく医療者たちの連続研修「コミュニティ・ヘルスケア・リーダーシップ(CHL)学科」第9期(CHL-Ⅸ)
の課題図書ですね。ぼちぼち読んでいきます!
◯ファシリテーション入門〈第2版〉 (日経文庫)
◯好循環のまちづくり!
◯チームマネジメント
◯組織論 補訂版
◯ソーシャル・プロジェクトを成功に導く12ステップ コレクティブな協働なら解決できる! SDGs時代の複雑な社会問題
「夢の叶え方を知っていますか?」は、
「すべてがFになる」などの小説で有名な森博嗣さんの著書で、お気に入り本の一つです。
森さんの「夢」に関する持論が多く語られている本。
夢には2種類あって、職業的な夢と趣味的な夢があるといいます。
職業的な夢は、仕事に関連した夢のことで、なんらかの形で他者との競争が必要になったり、他者からの評価が一定数必要になってくることが多い。
一方趣味的な夢は、自分の趣味、つまり楽しいと思えることを夢にすることで、他者との競争でのし上がって一番になることや、他者からの評価を前提としていない点で、相対的に健全だと思います。
おそらく、一見すると職業的な夢のようにみえる人でも、そこに「楽しい」が前面にでていて、自分の中の価値基準ですすんでいけるような夢は、趣味的な夢であると言えそう。
この本では、抽象的な夢と具体的な夢が、様々なアンケート回答をもとにいくつか紹介されています。
抽象的な夢で言うと、「家族といつまでも幸せに生活していたい」とか、「人の役に立てる人間になりたい」とか。定番といえば定番ですが、どんなイメージを描いているのか、この言葉だけではみえてこないですね。夢というか、かくいう自分も、家族とはいつまでも幸せに生活していたいです。
一方具体的な夢は、「日本中をツーリングしてみたい」とか、「カフェを併設したお花屋さんをもちたい」とか。具体的な夢は、その具体性を上げれば上げるほど、必要な手順やスキル、資源がみえるようになって、叶えることのできる確率も上がりそうです。
ただ、具体性の高い夢は、その具体性にこだわってしまうと、人生における様々な選択肢がみえなくなってしまう場合もあり、窮屈に感じてしまうかもしれません。「この〇〇は自分の夢に関係ないからやらない」となることが多いと、せっかくのチャンスを逃してしまう。
そもそも、今現在描いている具体的な夢が、本当に自分にとって幸せなのだろうかという疑問も描きにくくなる。余白がない絵は、それ以上広げたり、新しく描いたりすることができません。
そうなってくると、程よい抽象度で趣味的な夢を描くのが、今を生きていく上で一番幸せなのではないかと思います。この「程よい」という言葉が厄介ではありますが、まぁやっぱりここは人それぞれだと思います。基準としては、日々の生活の中で提示される選択肢が常に制限されてしまうような夢は、一方で不幸であるかもしれません。
ちなみに、「好きに本が買えるくらいの収入は得ながら仕事をつづけつつ、読書をゆっくり楽しめる時間と場所、そして家族との時間を確保できて、様々なひとたちと学びを共有しながらマイペースに勉強しつづけたい」というのが今の自分の夢です。
見方によっては、「あれ、これってもう今すでに夢叶ってない?」と思えなくもないのですが、「読書をゆっくり楽しめる時間と場所」、「様々なひとたちと学びを共有しながら」というところに広がりを持って抽象的なままにしておきたい。
ブックカフェを併設した診療所を開設して地域に溶け込みながら仕事と趣味をつづけていくとか、夢へのアプローチ方法の選択肢を残しておきたい。こうやって自分の文章を読み直すと、やっぱり自分の中の大切にしたい価値観の一つが、「選択肢」なんだなと実感しました。
というわけで、程よい抽象度でいくつかの解釈・アプローチができる、趣味的な夢をもつのが一番幸せなんじゃないかというお話でした。こうなってくるとやはり、「幸せとはなにか?」という問いは避けられませんね。
あなたはどんな夢をもっていますか?